オンラインブートキャンプの第1期を受講された高橋祐樹さんにお話を伺いました。高橋さんはハッカソンにて優秀賞を受賞し、2015年11月に開催されたTechCrunch Tokyoで受賞したサービスについて発表されました。その受賞したサービスについてお伺いしました。
プロフィール:高橋 祐樹
1978年生まれ。フリーランスのエンジニアとして活動。TechAcademyのオンラインブートキャンプを受講後、ハッカソンでワンコール決済のサービスを開発して優秀賞を受賞。その受賞サービスをTechCrunch Tokyo 2015で発表した。
80人参加するハッカソンに1人で挑戦
――今はどんなお仕事をされているのでしょうか?
今年の6月まで社内システムの開発を行い、C#でWindows向けのアプリケーションを作っていました。今はフリーランスで働いています。
――今回参加したハッカソンどれくらいの人が参加していたのでしょうか?
たしか80人くらいだったと思います。複数で参加してもいいので、合計で36チームでした。僕は1人で参加しましたが、多いチームだと6人ぐらいいましたね。
――チームの人数はばらばらなんですね。
何でもありですね。審査基準がいろいろあったんですけど、その1つにデザインがありました。僕はデザインが弱いので、デザイナーさんと「一緒に出ましょう」ということをやっていたんですけれど、誰も反応してくれなくて結局1人で参加しました。
会場で地味と言われて急遽作るサービスを変更
――ハッカソンではどんな作品を開発したのか教えていただけますか?
「OneCall(ワンコール)」という電話決済のサービスです。電話1本で決済が終わってしまうという決済サービスです。
――どのように決済するのでしょうか?
事前に電話番号とクレジットカードを登録しておきます。その上でサービスに対応しているサイトに書かれている電話番号に電話をするとそれだけで決済が完了します。
どのように使うかは発表の映像を見ていただいた方がいいかもしれませんね。
【TCハッカソン発表】#ma11 #tchack #tctokyo
作品2のデモ pic.twitter.com/B76KHzKpjO
— Mashup Awards (MA) (@mashupaward) 2015, 11月 17
TechCrunch Tokyo 2015で発表する高橋さん
――確かにカード決済って面倒ですよね。
そうですね。特に通販で利用できると思っています。例えば、「ジャパネットたかた」とかあるじゃないですか。特定の電話番号に電話するとそれで注文が完了するいう形にすれば、たぶんオペレーターさんはいらなくなるんですよね。
――このサービスはいつ思いついたんですか?
実はもともと違うサービスを作ろうと思っていたんです。1週間くらい前にルールが発表されて、スポーンサーのAPIを1つ使うという制限がありました。それで最初は電話を会員証にするというサービスを作ろうと思っていました。
いざ本番になって、近くにいた他のチームの人に作ろうとしているサービスの話をしたら「その案はハッカソン向けじゃない。地味すぎるからたぶん勝てないですよ」と言われてしまったんですよね(笑)。それで他の人とも話をしていて、「電話で決済できたらすごいんじゃないか」ということで盛り上がって決めました。
――サービスを作るにあたってどこが難しかったですか?
PayPalの決済ですね。最初はPayPalを使おうと思っていたのが、PayPalのエラーが解決できなかったのでPay.jpを利用しました。また、ルールとして、スポンサーのAPIを1つ使う必要があったので、クラウド電話APIの「Twilio」も使いました。PayPalのところでエラーさえなければもっと余裕を持ってできたと思います。
――Twilioはどんなことで使っているのでしょうか?
電話番号を取得するところと、音声を流すところで使っています。そのデータと登録情報を照合して決済をしています。
――APIを変更して、どれくらいの時間で開発したのでしょうか?
朝5時からなので機能だけでで言うと6時間くらいですかね。そこから3時間でデザインを作っていきました。本当はもっと余裕をもってやりたかったんですけど。
――もともとデザインが弱いということでしたが、デザインはどうしたのでしょうか?
Bootstrapを使いました。時間もなかったので、オンラインブートキャンプで使ったものをコピペしました。機能ができ上がったのが確か13時ぐらいだったんですよ。あと残り3時間でデザインをやらないといけなくて、綺麗なところを持ってきて当て込みました。
Railsを覚えたことでハッカソンに挑戦しようと思えた
――サービスが完成してから発表だったと思うのですが、いかがでしたか?
ハッカソンに参加するのがそもそも初めてだったので、緊張してガタガタでしたね。なんとかうまくいったみたいで良かったです。ああいう場で発表するのはちょっと気持ちいいですよね。
――優秀賞を受賞されていかがでしたか?
とにかく嬉しかったですね。出たかいがありました。
――初めてのハッカソンに出られた感想を教えてください。
ハッカソンは面白かったですね。昔の仕事で充実感を感じたときというのが凄い追い込まれて、月400時間超えていたときなんですよね。だから普通の現場だと全然ぬるくて、なんかつまんないんです。なので、やっぱり追い込まれて、寝るのを忘れてやるくらいの方が楽しいです。そんなことをハッカソンで味わうことができました。
――オンラインブートキャンプはハッカソンの参加のきっかけになったのでしょうか?
Ruby on Railsを覚えたのはきっかけになりました。やっぱりRailsは手数が少なくて開発時間が短いので、時間制限のあるハッカソン向きだなと思っています。何かアイデアさえあればハッカソンは楽しいだろうなと思いました。
――今後はどうされる予定なのでしょうか?
フリーランスをしながら、自分のサービスのリリースを準備していきます。
――そうなんですね。本日はありがとうございました。
(インタビュアー:横内優子)