オンラインブートキャンプを受講された酒井紀明さんにお話を伺いました。現在フリーのエンジニアとして働かれている酒井さん。離れて暮らす家族でも共有できる写真管理サービス「Doting Parent(ドーティングペアレント)」を開発されました。また、開発したサービス「Doting Parent」はDemoDayでグランプリを受賞しました。

プロフィール:酒井 紀明
1981年生まれ。千葉県在住。現在フリーのエンジニアとしてJavaを使ったサーバーサイドの仕事をメインで行う。過去に撮った写真をずっと共有したいという思いからオンラインブートキャンプを受講してWebサービスを開発。開発したサービス「Doting Parent」は、DemoDayでグランプリを受賞。

気付いたらエンジニアになっていた

——普段はどんなお仕事をされているのでしょうか?
今は、フリーでエンジニアの仕事しています。主にやっているのはJavaを使ったサーバー側の仕事ですね。実はまだフリーになって半年程度なんです。
フリーになる前は、企業で10年ほどエンジニアとして勤めていて、途中プロジェクトのリーダーやマネージャーなどをしていました。

——エンジニアになられた理由やきっかけはありますか?
そもそも私はエンジニアになろうと思って会社に入社したわけではなくて、いつの間にかプログラミングをしていたんです。
最初に配属された部署がとても良いところでプログラミングを楽しんで作業をされていたので、それで自然と好きになっていった感じですね。

——プログラミングの何が面白いと感じたんですか?
やっぱり自分で考えて作ったものが動いたところですね。
あと運が良かったのが配属されていきなり開発だったんです。そこで何も出来ないのに基本設計からやらせてもらえたんです。改めて考えてみると、環境が良かったと思いますね。

自分が使いたいと思うサービスを開発

——今回受講されたコースを教えていただけますか?
Ruby on RailsのWebアプリケーションコースとiPhoneアプリコースを受講しました。
両方とも8週間受講しました。

——両方とも受講されたきっかけは何だったんですか?
受講する前に作りたいものは決まっていて、最初はRuby on Railsだけでやろうと思っていたんです。
でも、自分が使いたいものを作りたかったので、写真のインプットに関してはスマートフォンから出来ないと使いたくないと感じたんですよ。
それで、ちょうどiPhoneアプリコースもあって、Ruby on Railsのコースにも満足していたので一緒にやってしまおうと思ったんです。

——作っていただいたサービスについて教えていただけますか?
Doting Parentというサービスです。
家族の写真を管理して遠く離れたおじいちゃんが見れるようにしてコメントをつけれるといった、家族内で使うSNSのようなサービスですね。
顔認識し自動で誰が写っているか分類することができます。

トップ画面_スクリーンショット-1.png

——サービスが生まれた背景を教えていただけますか?
今までは写真管理をするのに、EvernoteやLINEを使っていたんですが、LINEは過去のものは流れていってしまい探しにくいという問題があったんです。
また、Evernoteだとタグ付けとかができて便利なんですが、いちいちタグ付けするのがすごく面倒くさかったんです。

実は私は子供が2人いるんですが、2人目はどうしても1人目ほど手間をかけないんですよ。1人目のときは色々していたんですが、2人目になるとあんまりやらなくなっています。
そのため、今回のサービスは2人目の子供のために作ったようなものなんです。写真を撮ってコメントして残すという「やりたいこと」だけしかやりたくなかったんです。

——そのサービスはいつ頃から考えられていたんですか?
会社をやめるちょっと前ぐらいまえですね。
その後、オンラインブートキャンプを知ってカリキュラムの内容的に作れそうだなとおもったので。

——作ったサービスで工夫した点というのはありますか?
顔を認識した結果を、どう使うかという所ですね。
誰が写っているかという検索を行うのに、テーブル構図で考えると1つの写真のテーブルがあって、その中に写ってる人の関係データが「1対 多数」の形だと思うんです。
「この人とこの人が写っている」と検索すると一個一個繋がっているかどうかの検索をしなければならないんですよ。
それだと時間がかかってるので、その方法を行わずに写真のテーブルだけで検索できるようにしたということですね。

——その仕組みは作っている最中に思いついたのですか?
そうですね。SQL文を書くのが大変ですし、出来たところで検索時間もかかりそうだったので。

——ちなみにサービスはもうご家族は使われているんですか?
はい。まず家族から使ってもらっています。

——ご家族の反応はどうでしたか?
良いとは言ってくれました。ただ、検索や顔認識はまだ効果を発揮できていないですね。この部分はもうちょっと時間が経過してデータが溜まっていかないとわからないです。

——今後、現在のサービスに付け加えたいデザインや機能などはありますか?
細かいところではあるんですが、顔が45度以上傾いていると認識されないという問題があるので、そこは改善したいと思っています。

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メンターの有り難さを改めて実感

——勉強する上でいろいろ手段があると思うんですが、オンラインブートキャンプを選ばれた理由はありますか?
一番はメンター制度があったことですね。
独学は苦手とは思ってはいないんですが、分からないところがあるとどうしてもそこで時間を無駄にしてしまいそうと思ったんです。
でも、メンター制度があれば、ある程度引っ張ってもらえるかなと思いましたし、実際引っ張っていただけました。オンラインブートキャンプを受講することで1ヶ月以上早く作れたと思いますね。

——ちなみに今回のサービスは、iPhoneアプリ含めどれぐらいの時間で開発したんでしょうか?
Webのシステムの方が3週間ぐらい iPhoneアプリは1週間ぐらいですね。
アプリのほうで工夫したのは「動画を顔認識」するというところですね。
動画も認識させるために動画をいくつかに切り取って、静止画にして読み取るといった方法を採用しました。

——iPhoneアプリの機能はどういったものですか?
アプリはカメラで撮影したものを参照して送る機能と閲覧してコメントをつける機能ですね。

スマホ詳細画面.png

——同時に2つのコースを受講するのは大変だったんじゃないかと思うのですが、どうやって進めていたんですか?
まだやり方すらわかっていない箇所については早めに取り掛かったり、メンターの方に先に質問しておくという方法をとりました。
あとは、私自身がプログラミングの経験があるので「知っている人に聞けばすぐわかる」という所は全て自分で調べずに聞きました。

——1日に何時間くらい作業していたんですか?
大体、1日2、3時間ぐらいだったと思いますよ。

とにかく手を動かして形にするということが大事

——これからプログラミングを勉強したい方やサービスを作りたいという方に勉強方法やアドバイスをお願いします。
「作りたいものを作りましょう」ということですかね。

——作りたいものが無かった場合はどうしたらいいでしょうか?
「漠然と作りたい」だけでもいいとは思うんです。オンラインブートキャンプとかをやりながらTwitterクローンなど、よくあるサービスの真似事をしている内に作りたい物も生まれてくるんじゃないかと思います。
とりあえず手を動かさないと思い付きもしないと思いますね。
何かを作っているうちに作りたい物が思いつくというのは良くあると思うので、とにかくアウトプットしていくことが大事だと感じます。
ですので、オンラインブートキャンプを受けたら「DemoDayには参加しましょう」と言いたいですね!

(インタビュアー:小嶋大貴)