オンラインブートキャンプでは、現役エンジニアのメンターがリモートで受講生のプログラミング学習をサポートしています。今回は第一弾として、元塾講師という異色の経歴を持つフリーランスエンジニア、田丸愛継さんにメンターのお仕事の楽しさとやりがいについてお話を伺いました。

プロフィール:田丸 愛継
1968年生まれ。フリーランスエンジニア。9才の頃からプログラミングを始めてはや40年弱。途中、塾講師などをしながらもプログラマーとして様々な形でシステムを作り続けて今に至る。現在はフリーランスとして様々な開発プロジェクトに参加中。TechAcademyオンラインブートキャンプにてメンターとして活躍中。

小さいころからまわりにあったプログラミングの環境

――現在はフリーランスのエンジニアとして働いているとのことですが、どういった経緯でエンジニアになったのでしょうか?

田丸愛継氏: もともと両親がエンジニアだったので、プログラミングに触れる環境が幼い頃からありました。当時は家庭用コンピューターが大変高価だったので日曜日になると一人で秋葉原にあったパソコンメーカーのショールームに行き、子供ながらにパソコンをいじってそこでコードを書いていました。言語はBASICと、今のアセンブラではなくマシン語から入りました。とにかく楽しかったですね。学校の授業中、ノートに手書きでコードを書いて、次は一発で動かしてやると思いながら毎週秋葉原に通っていました。そこから大学入学前に父の会社の知り合いの関係で開発のアルバイトをし始めました。

――最初はWebプログラミングではなかったと思いますが、いつからWebプログラミングを扱うようになったのでしょうか?

田丸愛継氏: Web言語は2004年頃から触れ始めました。それまではPerlやCOBOL、Cなども一通り使っていましたが、知り合いから頼まれてWebの仕事に関わっていくうちにPHPをはじめとして、Ruby、Pythonなども自然と使う機会が増えてきましたね。子供の頃からプログラミングに親しんでいたので、新しい言語を覚えるのにはそんなに苦労しませんでした。

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受講生が求めるものに応じて対応を変えている

――オンラインブートキャンプのメンターとしてどんな業務をされていますか?

田丸愛継氏: 4名の受講生を受け持っているのでメンタリングの時間として週に4時間程度の業務をしています。もともと塾で講師として働いていた経験があるので、チャット上でのやりとりよりもFace to Faceでのメンタリング業務の方が性に合ってますね。

――元塾講師のエンジニアというのは珍しい経歴ですね。その経験も踏まえて受講生にどのような対応を心がけていますか?

田丸愛継氏: 受講生さんによって求められているものが異なるので、その受講生に合った対応を心がけています。プログラミングが初めての方もいれば、既にある程度理解している方もいらっしゃいますので、どんなオリジナルサービスを作りたいかを先に聞いておくことで、事前に学ぶべき点をアドバイスしています。特にオリジナルサービスは一からつくりますので、サービスに必要なパーツを掘り出す作業から始まります。最初にどんなものを作りたいかを考えてもらって、どんなパーツを掘り出すのかを話します。そして作りたいサービスをイメージしてもらって、そのサービスを作るにはどういう技術が必要で、だからここを重点的に学びましょうと全体をみながらアドバイスをしています。

――受講生に合わせた対応を重視しているということですね。

田丸愛継氏: どこのレベルまで行きたいかというのも大事です。将来エンジニアとして働きたいのか、副業としてサービスを立ち上げたいのか、単純にプログラミングを理解したいのか、といった違いがあるので伝えることも異なります。技術についても同じで、趣味で作れるレベルから、仕事で誰かから指示があったものを作れるレベル、そして自分でつくったサービスを自分でローンチして運用するレベルまであります。プログラミングを仕事で使いたいという方には、仕事でやるならここまで出来なくてはいけないですねと具体的にアドバイスをしています。

――具体的なアドバイスの例などありますか?

田丸愛継氏: 例えば受講生の方には制作側ではなくマネジメントの人間だけれども、エンジニアがどういう仕事をしているのか知りたくてオンラインブートキャンプに参加される方もいらっしゃいます。そのような方には、サービスが出来上がるまでにどんな過程があるかということを知ってもらい、管理する上でどこに気をつければいいのかをお伝えしています。現場での経験が長い分、マネジメントに関してもアドバイスをさせていただいています。せっかくオンラインでマンツーマンの授業をしているので、受講者の方が求めているものに応える工夫をしています。それがないと本や無料の動画と変わらないですからね。

――オンラインブートキャンプはRuby on Railsを使っていますが、技術的なサポートで気をつけていることはありますか?

田丸愛継氏: Ruby on RailsというフレームワークはRubyを便利に使うための道具なので、データベースやWebの仕組みがどうなっているのかを知った上で使うとわかりやすいです。そのことが理解してもらえるように心がけています。例えばデータベースなのか、サーバーやネットワークの部分なのか、どこでつまづいているのか把握するようにしていますね。私はそういったバックボーンを持っていたので割と教えやすいです。

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田丸氏はTechAcademyの初心者向けプログラミング講座の講師もつとめる

リモート勤務は今の時代に合った働き方

――メンター業務でのやりがいや面白いと思うところはどんなところですか?

田丸愛継氏: 1対1でプログラミングについて人と話すのが楽しいですね。あとは受講生の本音を探って、相手が本当に望んでいることをこちらから引き出してあげることが楽しいです。「こんなものが欲しい」という相手の言葉をもっと深掘りしていくと、本当に求めているものは別のものだったということがよくあります。自分が本当に求めているものは自分でわからないので、そこを掘り起こしてあげなくてはならないのです。そこを掘り起こすことで、質問したいことがどんどん的確になっていきます。そして自分で調べることができるようになるので、自分1人でも解決できるようになっていく方が多かったですね。

――メンター業務はリモートでの勤務ですが、なぜやってみようと思ったのでしょうか?

田丸愛継氏: 私事ですが、家に2才の娘ともうすぐ1才になる息子がいます。この子達が幼稚園に入園するまでは近くで成長を見守っていたいなと思っていて、自宅で作業できるリモート勤務を探していました。

――実際にリモートで仕事をしてみていかがですか?

田丸愛継氏: 場所の移動がないので時間の無駄がありませんし、家族と一緒に過ごせる時間が増えるというのはいいですね。今はネット環境さえあればリモート勤務ができるのでいろんな働き方があっていい時代ではないかと思います。

――今後のメンター業務への意気込みがあれば教えてください。

田丸愛継氏: 受講生には通り一遍のエンジニアやプログラマーにはなってほしくないです。「エンジニア人口は多いけど人材は足りてない」とよく言われますが、新しくプログラミングを学ぶ人口は増えてきているけれど、人材レベルにまで育て上げるメソッドってそんなに多くないんじゃないかと思います。ですので、私がオンラインブートキャンプを通してその一部になりたいなと思っています。「オンラインブートキャンプから出た人を雇ったらここまでやってくれる人だった」と喜んでもらえれば嬉しいです。

(インタビュアー:上田晴香)